《1290》 検査入院中の突然死 [未分類]

先日、衰弱した人がいると往診を依頼されました。
伺うと衰弱した高齢者が横たわっていました。
栄養失調でフラフラ状態でした。

血液検査をすると、胆道系の酵素が上昇していました。
悪性の病気が疑われるので検査入院をするかどうかを
本人と家族に相談しました。

家族は検査入院を選択しました。
入院して検査は行われて診断が確定しました。
しかし翌朝に、病院内で突然死されました。

懸念していたことが現実になりました。
病気が分かった翌日に、亡くなられた。
時間にしたら検査の12時間後の死亡。

病名が分からないまま、3カ月後に亡くなるのと
病名が分かった翌日に亡くなるのとどちらがいい?
と聞かれたら、全員、前者を選ぶでしょう。

しかし現実には、後者になってしまうことが多い。
薬は反対から読むと、リスクです。
同様に、ある程度以上の検査もリスクがあります。

衰弱した高齢者の検査入院には、常にこのような
リスクもあることをお伝えしたくて書いています。
そっとしておいた方が得な場合も結構あるのです。

家族は「苦しまなくて良かった」と言っていました。
もしかしたら本人も「苦しまなくて逝けて良かった」
と言っているような気もしました。