《1296》 “キャンナス”にみた看護の原点 [未分類]

昨日は島根県益田市で3時間の講演をしました。
私を呼んで頂いたのは、一人の訪問看護師さん。
駅前のホールに数十人の方が集まり平穏死の話。

その看護師さんは、在宅患者さんの訪問看護を
されていますが、介護保険外の有償ボランティア。
1時間1000円の実費で制度の狭間を埋める。

普段は、2つのクリニックの訪問看護師さんとして
勤務する傍ら、空いた時間を利用してボランティア。
患者さんからの依頼と感謝だけで動いておらました。

介護保険下の活動ではないので、保険請求とも
ケアマネさんとも基本的には無関係です。
医療・介護保険の狭間を埋める純粋なボランティア。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の方が在宅療養する場合、
栄養剤注入のため1日3回の訪問看護師が必要です。
しかし介護保険では限界があります。

その隙間を患者さんからの依頼で埋めるのが彼女の任務。
ベテランなので緩和ケアの技術にも長けておられました。
僅かな利益は、昨日のようなイベントで使い果してしまいます。

生活保護の方には、無償で行かれるそうです。
必要な方の役に立って喜んでもらいたい。
ただそれだけの想いで自分が生まれ育った町で活動する。

彼女の生き方に感銘をしました。
その有償ボランティアをしている訪問看護師の集まり
“キャンナス”という仲間だそうです。

そうした活動拠点が、全国に60カ所もあるそうです。
東北の被災地にもあります。
看護師の一人開業の話とキャンナス活動は別だそうです。

講演後、島根の山奥に移動して彼女の仲間と食事をしました。
そこは、おとぎ話に出て来そうな夢の世界でした。
そこの店主の家に泊めて頂きました。

2日間の放浪(?)の旅が終わりました。
この24時間、メール環境が無い場所で過ごしました。
これから尼崎に帰り、深夜まで仕事に没頭します。

行く前に看取りがあり、たった今もお看取りの電話。
しかし今日は、代理の医師が往診してくれるとのこと。
私もキャンナスに負けないように頑張ります。