《0130》 日本慢性期医療学会での収穫 [未分類]

一昨日、日本慢性期医療学会で「在宅医療と地域連携」という演題で
講演、シンポジストを務めました。
午前診を休み、ご迷惑をおかけしましたが大きな収穫がありました。

日本慢性期医療学会とは、療養病床を有する病院を中心とした学会で、
既に第18回の歴史があります。

療養病床は、1993年に創設された病床群です。
現在、日本には約160万床のベッドがあり、そのうち34万床が療養病床だそうです。
療養病床を有する病院は、4067施設あります。

平均在院日数は約180日と、急性期病院の約10倍です。
失礼ながら、療養病床というと姥捨て山のようなイメージを持っていました。
今回の学会で、そうではない元気な療養病床が増えていることを知りました。

療養病床でも、人工呼吸器の管理、抗がん剤治療、麻薬などによる緩和医療など、
急性期病院と同じことをしている所もあると聞き驚きました。
要するに、夜間対応や救急医療以外で、結構頑張っているのです。

全国から医師やコメディカルが多数集まり、熱い議論をしていました。
なかには、「終末期医療」や「死」に関するセッションもありました。
私が評議員を務める「日本ホスピス在宅ケア研究会」と似た雰囲気でした。

私は開業医として、外来診療と在宅医療を行う身です。
ミックス型診療所とも言います。
考えてみれば、9割が「慢性期医療」に従事しています。

在宅医療を本気で行う医師が増えないのは、24時間365日拘束にあります。
旅行に行く時などは、在宅医仲間に頼むシステムが提案されています。
しかし、なかなか普及しません。

武久洋三会長は、「在宅医が不在になったり、ご家族の都合で入院が必要になった時に、
すぐに受け入れるのが療養病床なのですよ」と言われました。
まさに、目からウロコ、でした。

診療所は、専門クリニックと往診も行うかかりつけクリニックに二分化するでしょう。
療養病床も、在宅医療を支援する病院とそうでない病院に分かれそうです。
支援する病院が、この「日本慢性期医療学会」に集まっている印象でした。

これまで、急性期病院ばかりに目を向け過ぎていました。
隣にこんなに綺麗な人がいたのに、気づきませんでした。
これからは、在宅診療所と療養病床が上手く連携する時代です。

さっそく、日本慢性期医療学会に入会しました。
診療所としては3件目と聞きました。
1番でなくてちょっと残念、でした。