《1315》 離島の生活、離島の医療 [未分類]

鹿児島県は、島の多い県です。
地図を見ると数えきれないほどの島があります。
懇親会で、いろんな島の出身者とお話をしました。

「悪石島」という名前を聞いたとき、
最初は何かの間違いではないかと思いました。
しかし、あくせきじま、と呼ぶそうです。

トカラ列島のひとつ。
行政区では、鹿児島県十島村になります。
十島村は、有人7島、無人5島で構成され、
全長160キロと、日本一長い村だそうです。

そこで生まれ育って、現在は鹿児島で訪問看護をしている
看護師さんとお話しました。彼女から聞いた話を紹介します。
悪石島の人口は、54人しかいなかったそうです。

小中学生は合わせて、たった6人。
鹿児島から悪石島に行く村営船は、週2便だけ。
10時間もかかるそうです。

2つ隣は「宝島」という名前の島。
これは、反対に実にいい名前です。
両者の間は子宝島というそうですが、これも順当。

どうして悪石島なんて名前がついたのか聞いてみました。
宝島で出た宝石を隠しておいても泥棒が来ないようにと、
悪石という命名をされたと、言い伝えで聞かされたと。

鹿児島日赤病院の医師達が巡回診療をしているそうです。
その医師と話していると、さらに面白い話が出てきました。
ある島に巡回診療に行くと、子供はたった1人だったと。

その子供は、たった1人の教師の子供さんだったそうな。
またある離島には、たったひとつだけ信号があるそうです。
車のナンバープレートも必要も無いようなところですが。

実は、都会に出た時に信号で困らないように
練習用として信号が、1基だけあるそうな。
実にいろんな話を聞かせていただきました。

私は学生時代に山の無医村で無医地区活動をしていました。
しかし離島の医療は全く経験がありませんし想像できない。
話を聞いていると、実に穏やかな時間が流れていました。

しかしいざ急病人が出ると、ヘリコプターで大きな島や
鹿児島の病院に搬送され、延命治療を受けることもある。
最期を島で診ようにも医師も看護師もいない島が沢山ある。

都会で生活しているものには想像できない世界があります。
しかし間違いなく、豊かな自然とゆっくりした時間がある。
幸せとは何なのか、考えてしまいました。