《1317》 がん患者大集会と山本孝史議員(故人) [未分類]

昨日は、第9回がん患者大集会(神戸)で
基調講演をさせて頂きました。
東京会場や全国にもインターネット配信されました。

私は、「自分で選ぶがん療養」と題して、治療期、
そのやめどき、そして終末期の自己決定を話しました。
末期がんに冒された看護師さんのビデオも見て頂きました。

パネルディスカッションでは、がん専門医と地域のかかりつけ医との
早期からの併診が大切であることをお話しました。
がん対策基本法で描かれたピラミッドを逆さまにしましょうと。

がん拠点病院だけでなく、がん拠点診療所も造り、
両者の連携を密にすることが大切じゃないかと。
緩和ケアは病院ではなく、地域にこそあるはずだと。

厚生労働大臣や日本医師会長からのメッセージが代読され、
厚生労働省のがん対策の官僚や日本医師会の幹部、
そして患者会代表らも講演されました。

がん対策基本法ができて、様々な施策が整備されています。
しかし、地域によっては、がん再発難民が出ています。
早期からの緩和ケアの実施も、現実にはまだまだ。

様々な問題点の指摘と提言がなされ、最後に
厚労省と日本医師会にアピール文が提出されました。
がん患者さん達の願いが、文書という形で出されました。

私は政治家さんへのアピールも必要じゃないかと思いました。
というのも、法律や施策を造るのは政治家の仕事のはずです。
がん対策基本法は、山本孝史議員(故人)が中心に造られた。

昨日の集会は、山本議員の奥さまが司会をされていました。
主催者の1人でもあります。
彼女と、がん対策基本法について話し合いました。

「主人が生きていたなら現状をどう思うだろう」と言われました。
つまり、「仏作って魂入れずではないか?」とも、言われました。
私は「ピラミッドを逆さに!」と言ったばかりなので驚きました。

今後、山本議員の奥さまともコラボできたらいいなと思いました。
2冊の本を頂きました。
「救える『いのち』のために 日本のがん医療への提言」山本孝史著。

がん対策基本法ができるまで、どれだけの苦労があったのか、
そしてがん医療への施策が書かれていて、感動の一冊でした。
がんを放置せよと叫んでいる人たちに、この本を読んで欲しい。

もう一冊は「兄のランドセル いのちの政治家・山本孝史物語」山本ゆき著、です。
孝史さんが5歳の時、8歳の兄がトラックにひかれて亡くなった。
彼が交通遺児の支援や自殺対策に奔走された原点が描かれている。

いろんなご縁を頂き、今後、がん対策にも現場から提言を
もっと強く行わないと患者さんの希望に添えないと思いました。
日本のがん対策行政はまだ始まったばかりであると感じました。

一昨日は、認知症の研究会で講演と座長、
昨日は、がんの集会で講演とパネリストと、
2日続けて、大変重要なイベントに大きく関わっていました。

がんと認知症は、まさに国民病です。
昨夜のNHKテレビでは、認知症800人時代と報じられた。
もはや軽視できることはできません。

この2日間、我が国にとってもとっても重要な2つの課題に
中心となって取り組むことができました。
話合いだけに終わらせずに、結果を出して行きたいと思いました。

終了後、日付けが変わるまで往診の連続でした。
深夜の看取りもあり、今週もあまり寝られないまま週が変わります。
しかし、とっても遣り甲斐のある仕事をさせて頂いています。