《0133》 力士の脂肪は善玉か悪玉か? [未分類]

私が大阪大学第二内科で研修していた頃、大相撲の力士らの
お腹のCTスキャンを撮って、脂肪の分布が検討されていました。

相撲取りが入れるCTスキャンがなくて、苦労していたようですが。

位の高い力士は、内臓脂肪が少なく、皮下脂肪が多い。
位の低い力士は、内臓脂肪が多く、皮下脂肪は少ない。

その関係性は、綺麗に一直線上に並んでいました。
単純化すれば、内臓脂肪=悪玉、皮下脂肪=善玉となります。

古代から美女の象徴とは、大きなお尻でした。
それは皮下脂肪の象徴でもありました。
お腹が大きいのはダメ、お尻が大きいのは丸、なのです。

ウルフ(千代の富士)や、貴乃花を思い出すとすごい筋肉でした。
彼らの内臓脂肪は相対的に少なく、皮下脂肪が多かったのです。

筋肉を多くして、内臓脂肪を減らすことが大切です。
昔、内臓脂肪と皮下脂肪の比率を、方眼紙にCT画像を重ねて
人間(医者)が、手作業でカウントしていました。
今は、機械が一瞬にしてカウントしてくれます。

お臍のレベルで切ったCT断面像で、内臓脂肪面積が
100平方センチを超えると、よくないことが起こるのです。
それが、男性の場合のウエスト85センチに相当するのです。

現在、男性85センチ、女性90センチという基準に議論があるようですが、
決して根拠がないまま決められた数字ではありません。
臨界点となる内臓脂肪面積値から求められた数字です。

私事ですが、50を過ぎて、お腹の突出が止まらなくなりました。
何か異変が起きています。
異変とは、脂肪の分布や付きやすさが、以前と明らかに違うのです。
何とかしなければ、と思いながら、日々が流れていきます。

患者さんの気持ちもよく分かる年になりました。
しかし、まだあきらめてはいません。
一緒に頑張りましょう!