《1331》 男は強いのか、弱いのか [未分類]

昨日、電車に飛び乗ったら女性専用車両で白い目で見られました。
以前、サンダーバード号に乗った時、ピンク色の女性専用シートが
全部空席だったのでそこに座っていたら車掌さんに叱られました。

乗り物内では、女性を保護する必要があるのです。
そういえば、いまだに女医、女性ドライバー、女性議員です。
確かに女性は弱いので、大切にしないといけません。

しかし、寿命においては女性は男性より遥かに上です。
平均寿命は男性が79歳で、女性が86歳。
その差は7年あります。いや、7年も、と言うべきか。

消費税が8%に上がるとのことで世の中大変ですが、
男性は生まれつき、寿命が女性より9%も短い。
男性の短命度は、消費税どころではありません。

そういえば、老人ホームやグループホームに入所している方を
よく見渡せば、どこに行っても見事に9割が女性です。
男性は残念ながら、そこに入る前に死んでしまうのです。

在宅医療をしていても、男性は呆気なく死ぬ傾向にある。
しかし、女性はなかなかそう簡単には死にません。
女性は男性より生物学的に頑丈にできているのです。

100歳長寿者の9割は女性であることを考えると、
女性が羨ましくもなります。
私は、99%以上100歳まで生きることはできません。

核家族という言葉は、もはや聞かなくなりました。
その代わりに「おひとりさま」という言葉をよく耳にします。
そんなの関係無い、と思う方も多くおられるでしょう。

しかし、どんなに仲のいい御夫婦でも一緒に死ぬことは無い。
どんな人でも「おひとりさま」になる可能性があるのです。
たいていは男性が先に死にます。

結婚時に奥さんが3つ年下であったとして、男性の平均寿命が
7年短いのですから、既婚女性は10年間の未亡人期間がある。
ちなみに未亡人とは「いまだ亡くならない人」と書きます。

夫にどんなに苦労をかけられても、妻は10年間ゆっくりできます。
その10年間の女性の外来や在宅や施設への往診に携わるのが仕事。
未亡人になると介護負担やストレスが減って、ぐっと若返ります。

最近、なぜか高齢女性とのご縁が多いなと感じていたら、
ちゃんとこんな理由があったのですね。
今日から、しばらく弱き男性のために医療について書いていきます。

《PS》
昨日は、三重緩和医療研究会で講演させて頂きました。
大学病院や大きな病院の緩和ケアのスタッフの方々と
いろんな意見交換をさせて頂き、有意義な時間を過ごしました。