《1333》 女性にもある男性ホルモン [未分類]

日常会話の中で普通に「男性ホルモン」とか
「女性ホルモン」という言葉が使われています。

男性ホルモンの代表はテストステロン
女性ホルモンの代表はエストロゲンです。

ところで女性にテストステロンは無いか?
と聞かれたら、答えはNOです。
反対に男性にエストロゲンも同じです。

実は、男性にも女性にもテストステロンも
エストロゲンもありますが、その割合が違うのです。

若い女性のテストステロンの量は、男性の3分の1程度ですが
なかには男性より値の高い女性もいるそうです。

男性のテストステロンの95%は睾丸の中にあります。
女性のテストステロンは副腎、脂肪、卵巣などで産生されます。

男性は加齢に従い、テストステロンは減少するだけですが、
女性では閉経後に上昇するので逆転することになるのです。

実際、シルバー世代で測定すると、夫婦間で
テストステロンの量が逆転しているケースも珍しくないそうです。

同じ男性でもテストステロンの量は年齢によって大きく変わり、
同じ年齢でも、かなりの個人差があります。

私は、うつ傾向の中年男性が来院されたら必ず測ります。
実に、いろんなレベルの方がおられます。

テストステロンが多い人と聞けば、どこか野性的で
時に喧嘩早くて野蛮な印象があるかもしれません。
私もそう思っていました。

しかし実際はその逆で、他者と共存して
その中で自分を表現する「社会性」こそが
テストステロンの作用だそうです。

一般社会には、いろんな人がいて気配りをしながら
関係を構築し、仕事を前進させるのが
テストステロンの働き。

また、災害時にボランティア活動をする人や
弱者を助ける「利他的」行為も、
まさに、テストステロンのなせるワザ。

一方、エストロゲンにも他人を思いやる作用があります。
テストステロンが、「社会のため」「不特定多数の利益のため」。

エストロゲンは、「我が子のため」「家族のため」、
「愛する人のため」といった自分に近いものを対象になるそうです。

こんな話を聞いたら、自分のテストステロン値を知りたくなりますね。

(続く)