《1343》 戦前の日本にもあった治療法 [未分類]

ヘストステロン補充療法は実は日本で戦前から
行われていたそうです。
私も最近まで知りませんでした。

戦前の雑誌「改造」に「精神衰弱にテストステロンを」
という広告が掲載されています。
当時の神経衰弱とは、現代の「うつ」に相当します。

その時代から、テストステロンの効果が認めまれていました。
では、戦前からある治療法なのに、なぜ現代でもあまり
知られていないのでしょうか。

ひとつには、テストステロンは強壮剤のようなイメージがあり、
戦後の混乱期に出回った覚せい剤と混同されたことがあります。

また筋力を高める作用があるため
国際オリンピック委員会(IOC)が
ドーピング検査の対象に指定されたことも関係あるかもしれない。

しかし、使用量を守れば重大な副作用は無いので、
海外ではテストステロン補充療法が一般的に行われています。
これは女性ホルモンの補充療法も同様です。

我が国でも、テストステロンに着目した治療は、
壮年期のみならず高齢者医療にも応用すべきでは
ないかという機運が高まっています。

我が国の保険診療で認められるテストステロンの
注射剤は、1回打つと約10日間持続します。
海外では、貼り薬。飲み薬もありますが日本では注射薬だけです。

ネット販売で経口薬が入手できるようですが、
偽バイアグラと同じ様に、お勧めできません。
では、どこの科を受診すればいいのでしょうか。

こうした男性の更年期障害、LOH症候群、EDなど、男性の
病気を専門に診療する外来を「メンズヘルス外来」と呼びます。
大学病院やクリニックの「メンズヘルス外来」が増えています。

日本のメンズヘルスの専門医は、塗り薬や、貼り薬や経口剤の
早期承認を求めていますが、現時点では保険適応外薬の扱いです。
現時点では注射のみなのがネックです。

ただ若いうちからテストステロンを長期に使用すると、
精巣の機能が低下して不妊の原因になることがあります。

ある大学病院のメンズヘルス外来ではテストステロンの値が
低い人に男性ホルモン製剤を使うのは、3割程度だそうです。

残りの方には漢方薬治療が行われています。
ED(勃起障害)を主訴とするLOH症候群の人には
バイアグラなどのED治療薬のみで対応されています。

いずれにせよ、古くて新しい男性ホルモンに着目した医療は
まだまだ始まったばかりで、これからのものです。
必ず専門の医師の診断と処方を受けてください。