《1347》 上手く付き合いたい前立腺がん [未分類]

前立腺がんの治療には、手術、放射線、
ホルモン治療という3つの選択肢があります。
あ! それから経過観察する監視療法もありますね。

従来、前立腺がんで手術するのは、65歳以下で
15年以上の生存が見込まれる人と聞いていました。

一方、放射線治療もいいのですが、先にこれを行うと、
組織が硬くなり後で手術がしにくくなると聞きました。

しかし最近、手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」の登場で
前立腺がんの手術が大きく変わりつつあるそうです。

ダ・ヴィンチ手術とは、手術台から離れてモニターの映像を
見ながら両手と両足を使って遠隔操作でする手術です。

従来の腹腔鏡手術よりも精密かつ繊細な動きが可能で、
患者さんへの肉体的負担も最小限で済みます。
現在国内に130台以上が導入され評判になっています。

勃起障害や射精障害という従来の手術の後遺症が少なくなり、
80歳台でも手術を受けるケースが増えているそうです。
もちろん高い技術を習得した泌尿器科の専門医が必要です。

すでに骨などにがんが転移している人が最初に行う治療法は、
LH―RHという脳から出るテストステロンの産生を抑える薬。

在宅医療の現場でも、この薬を使っている患者さんがいます。
病院からの依頼で、私自身が患者さんのご自宅で打っています。
こんな簡単なことなら依頼さえあれば自宅で簡単にできます。

テストステロンは前立腺がんの発生には直接は関係ないのですが、
一旦できた前立腺がんを大きくする作用があるからそうなります。

増加する前立腺がんには、様々な選択肢がありますから、
専門医とよく話し合って、上手に付き合いたいものです。
前立腺がんで早死にするのはちょっともったいない時代です。

そのためには、やはりPSAという腫瘍マーカーを
上手に使うことから始まるのだと私は思っています。
以上のことを知ってから、PSAを測ってみてください。

《PS》
昨夜のクリスマスイブも嵐のような激しい外来のあと
講演や取材があり、その後、深夜も往診していました。
クリスマスとは無縁の日々はちょと寂しいです。