《1350》 「身体拘束ゼロ」の現実は? [未分類]

私は看護や介護のプロではないのですが、自分自身が
知っていること、経験したことをそのまま書いています。
時々「身体拘束ゼロ!」というスローガンを目にします。

それを見るたびに、「災害ゼロ」という
工事現場のスローガンを連想します。
「災害をゼロにしたい」という想いは伝わってきます。

「身体拘束ゼロ」という言葉も同様で、それを聞くたびに
「わざわざそんなことを言うんだからゼロじゃないんだ」
なんて勘ぐってしまいます。

しかし私の見る限り、身体拘束はいたるところにあります
認知症の方がくくられたり、閉じ込められています。
散歩から出してもらえていないのも拘束だと思います。

認知症といっても拘束されたことを
ちゃんと覚えている方もいます。
縛られてなんともない人はいません。

先日、末期がんの知人を病院にお見舞いに行きました。
沢山の管がついていて近づくのが大変でした。
手足は縛られていました。

会話は可能でした。
しかし点滴で苦しそうでした。
医師も看護師も家族も「平穏死」を知りません。

延命治療→苦しいから暴れる→手足を縛る
という悪循環に陥っていることに誰も気がついていません。
その病室におられる他の人たちも同様でした。

笑顔もなければ食べることもない。
昏睡状態と言われましたが、ちゃんと会話できるし、
家に帰ればゼコゼコも治り、食事もできる。

しかし病院ではうつろな表情で死を待つだけでした。
普段平穏死ばかりなので、病院のこの光景に驚きました。
平穏死をいう前に、手足を解いてあげたいと思いました。