《0136》 そろそろ禁煙、本気で考えませんか? [未分類]

尼崎といえば、昭和40年代は公害喘息で有名でした。
最近はアスベスト問題やメタボ健診発祥の町として有名です。

しかし、クリニックを受診される方は喫煙者がとても多いです。
風邪で咳が止まらない方の大半は喫煙者です。

タバコの害といえば肺がんを思い浮かべる方が多いでしょう。
確かに、肺がんはがんの中でも怖くて厄介な病気です。

しかし、同じ肺の病気でもタバコが関係する病気で、
忘れてはならないのがCOPD(慢性閉塞性肺疾患)です。
街中で酸素を吸っておられる方の多くは、COPD患者さんです。

このCOPD(昔は肺気腫と言いました)こそが、日本に500万人もの
患者さんがいる、「ザ・タバコ病」です。
進行すれば酸素吸入が必要となり、命に直結する難儀な病気です。

タバコとがんで最も関係が深いのは実は、喉頭がんです。
喫煙者は、その確率が33倍も高くなります。
その他、口腔がん、食道がん、膀胱がんなどが特に関係の深いがんです。

タバコと関係の深い病気として、他に心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症が有名です。
さらに、糖尿病や高血圧にタバコが深く関係することは、あまり知られていません。
これらは、タバコをやめるだけで確実に改善します。

尼崎市は、兵庫県下で男性が一番短命の町です。
理由はメタボが多いからとも言われています。
メタボ対策は、まず禁煙、そして食事と運動、です。

勃起不全(ED)にもタバコが大いに関係しています。
高校生への禁煙講座は、この話題から入ると身を乗り出して聴いてくれます。

さらに最近では、タバコは認知症とも関係が深いことも分かってきました。
認知症は、誰もがなりたくない病気のナンバー1ですね。

その他、タバコは腰痛や骨粗鬆症とも関係しています。
このように、知っているようで意外と知らないのがタバコ病です。

私は、外来診療の合間に人生の終末期を住み慣れた自宅で過ごしたい人の
お世話をする「在宅ホスピス医」です。
年間40~50人、合計400人の方をご自宅で看取ってきました。

末期がんが多いのですが、死を目前にして患者さんやご家族に
必ず訊かれる質問が「なぜ、がんになったのですか?」です。

タバコ病で命を落としている方があまりにも多い現実に対峙し、
町医者としてタバコ問題に正面から立ち向かおうと決心しました。
そろそろ禁煙、本気で考えませんか?