今日は、食道がんの予防についてもう少し書きます。
食道がんの予防とは、
タバコを吸わないことと
お酒を飲み過ぎないことにつきると思います。
しかしタバコを吸ってきた人はどうすればいいか。
それは簡単、今からでも禁煙すればいいのです。
禁煙に、「遅い」という言葉はありません。
また、お酒を沢山飲まなければいいだけなのです。
適量のお酒は、まさに百薬の長です。
さんざん飲んできた人は、禁酒すればいいだけです。
すなわち、食道がんは充分に“予防できる”がんなのです。
運が悪いというより自分がその種を撒いていることが多いがん。
もっとはっきりいえば、“くやしい”がん。
以上のことを、一次予防と言います。
たかじんさんも中村勘三郎さんも、医師から見れば
厳しい言い方ですが、そのような見方になります。
昨日書いた、MCV100以上と喫煙者に狙いを定めた
内視鏡検診のことを二次予防とも言います。
この一次予防と二次予防が、食道がんの大きな戦略です。
- 防煙、禁煙と過剰飲酒をしないこと
- それができなければ、内視鏡での定期的な検診
(1)が叶わなかった人は、(2)をしっかりやって欲しい。
(1)は、かかりつけ医に相談して下さい。
禁煙治療には、飲み薬や貼り薬の禁煙補助薬があります。
アルコール依存症の方には、新しい嫌酒薬も使えます。
(2)は、是非とも内視鏡専門医にやってもらって欲しい。
内視鏡をしているのは、内視鏡専門医とそうでない医師。
根治可能な食道がんは、内視鏡専門医が見つけることが多い。
根治とは、内視鏡手術だけか、外科手術だけで治るがん。
念押しのために、抗がん剤や放射線をやることもありますが、
基本的に手術の前に根治を目指すと判断されたがんのことです。
繰り返しになりますが、タチがかなり悪い食道がんの場合、
命が助かるのは、早期の早期のがんだけだと思って下さい。
よーく見ないと見つけられないのが、早期の早期の食道がん。