《0139》 タバコをやめる治療 [未分類]

これまで何度も禁煙に挑戦するも、失敗された方は多いでしょう。
「とりあえず減煙」や「軽いタバコだったら」という方も多いようです。

しかし、減煙や軽いタバコも、残念ながら健康上のメリットは期待できません。
完全禁煙しか道はないのです。

完全禁煙できないのは決して意志が弱いからではありません。
「ニコチン依存症」という立派な病気だからです。
ニコチン依存性度が高い方は自力での禁煙は難しいので、ぜひ、
医師との2人3脚をお勧めします。
成功率が、5割以上に上がります。

禁煙は一生ものの大事業、できれば一発で成功させたいもの。
禁煙治療は、まず禁煙日を決めることから始まります。
周囲に宣言して、自分にプレッシャーをかけましょう。

次に、お近くの禁煙支援医療機関をネット等で探します。
禁煙支援医療機関とは、健康保険が適応される医療機関です。
診療所と病院の両方があります。

予約制などで特別枠を設けている医療機関や、当院のように
通常診療の中で随時行っている医療機関など、診療スタイルは様々です。

決心したら、禁煙支援医療機関の門を叩いてみましょう。
問診では、まずブリンクマン指数(BI)を計算します。
BIとは1日の喫煙本数X喫煙年数。
もし20本を20年なら、BI=400となります。

これが200以上であることが禁煙治療の第一要件です。
余談ですが、先日、BIが200を超えている高校生が受診されました。
しかし、残念ながら未成年者は禁煙治療は保険適応になりません。

次に、ニコチン依存度を測定するためTDSという問診を行います。
10項目中5項目以上当てはまれば、ニコチン依存症と判定されます。
朝起きてすぐにタバコを吸われる方はニコチン依存度が高いと判定されます。

この二つの要件を満たす方には「禁煙同意書」にサインをいただきます。
ここまできたら、もう後戻りはできませんね。

禁煙補助薬でニコチン切れの禁断症状を緩和するのが禁煙治療です。
現在、健康保険では2種類の禁煙補助薬が使えます。
ニコチンパッチという貼り薬とバレニクリンという飲み薬です。

2~4週間ごとに受診していただき、禁煙の継続をサポートします。
治療期間は、貼り薬では8週間、飲み薬では12週間と定められています。

やるからには絶対に1回で成功させましょう!