《1395》 独居の在宅は〝鍵がカギ〟 [未分類]

独居の人の在宅医療を依頼された時に、
最初に考えることは、実は鍵のことです。
室内歩行はなんとか可能でも、鍵が開けられない人もいます。

鍵で困るケースはいくつかあります。

  • 一戸建てで、寝室から玄関まで遠い場合
  • 家族がいたりいなかったりする場合
  • セキュリティーの高いマンションでは、入口と部屋のドアの2つの鍵の解除が必要な場合

以前、マンションの入り口で部屋番号を押したら、
それに反応して、在宅患者さんが転倒したことがありました。
あるいは、部屋のドアの前で転倒してしまったことも。

ドア越しにかすかに声は聞こえど中の様子が分からない。
帰るに帰れず、管理人さんを呼んで大騒ぎになりました。
独居の方の部屋番号を押す時は、いつもドキドキします。

いくつかの方法を提案します。
もちろん信頼関係ができている前提で、一番大切なこと。
遠くの家族の許可も得ておかないとトラブルになります。

  1. 鍵を何本かコピーさせていただく。

  2. 秘密の場所に鍵を隠して置かせてもらう。

  3. 小窓の内側に釘を打ってもらいそこに掛ける。

(1)は、普通の鍵であれば簡単にできます。
看護師さんやケアマネさんやヘルパーさんも含めて
最低でも4本は要ります。

しかし非常に精巧な鍵の場合、コピーにかなりお金がかかる。
何本もコピーすると何万円もかかりかなりの負担になります。
しかし精巧な鍵を安価な鍵に変えることもできません。

(2)は、たとえば小さなカンカンの中とか古典的な方法です。
簡便ですが、本人や家族が拒否する場合がよくあります。
お金を盗られるというより、万が一の不審者への不安があります。

完全寝たきりの場合、家族がそれを希望する場合があります。
しかも本人には内緒です。
しかし立派なマンションの場合、隠す場所が無い場合もあります。

この方法の利点は鍵を何本もコピーしなくてもいいことです。
隠す場所について、みんなで相談する場合もあります。

(3)これは、常に開いている台所の小窓の内側に置く方法です。
これも、やや問題があります。
取り損なって、部屋側に落としてしまったこともありました。
しかし鍵は、常に室内にある安心感はあります。

おひとりさまの在宅医療の場合、常にイザという時のことを
本人と家族とよくよく相談しておく必要があります。
もし孤独死してもその日のうちに誰かが見つけてあげたいのです。

そのためには、〝スペアの鍵がカギ〟です。