《1397》 認知症のおひとりさまを在宅医療で [未分類]

今、おひとりさまで認知症がある方を
何人か在宅医療で診ています。
認知症の程度は、かなりのものです。

10分前のことを覚えることができません。
毎週顔を合わせていてる私を覚えていません。
何回行っても、「あんた誰?」という感じです。

これまで病院や施設で問題児だった方です。
さんざんいろんなトラブルがあったようです。
しかし家に帰って来て、すっかり笑顔が続いています。

実は、地域包括ケアというシステムの中にある
24時間随時対応訪問介護・訪問看護というシステムで
毎日見守りがされています。

万一、突然死されても半日以内に発見できる体制です。
訪問看護は私の法人で、訪問介護は別の社会福祉法人が
担当しています。

どちらも採算的にはボランティアのような感じです。
尼崎市では数例、このようなシステムで診ています。
そのうち2例は、私が診ています。

2人たりとも意思表示はしっかりできます。
言いたいことははっきり言える。
だからこそ施設では無理で在宅になった方〃です。

家からは出られませんが、トイレは自分で行けます。
デイサービスはケアマネさんが勧めてもずっと拒否です。
寝ている事が多いですが起きて好きなことをすることも。

食事は、残していることが多いですが、時間をかけて
マイペースで食べているようです。
体重は半年以上変わっていないので大丈夫のようです。

実は、昨日ご紹介した近著「ばあちゃん・・」は彼らを
イメージして書きました。
昨日はさっそく読まれた方から嬉しい反応を頂きました。

そう、ブロイラーではなく、地鳥です。
あるいは、養殖ものではなく、天然ものです。

何も起こりません。
実に平和です。

つい10分前のことは覚えられなくても
今は、はっきり分かります。
まさに、今を生きています。

地域包括ケアシステムで診ているのはこの2人だけですが、
普通の在宅医療で診ている独居の認知症の方は沢山います。
多くは昼間独居で、厳密にはおひとりさまとは呼びません。