《0014》 水を飲んでも、太る? [未分類]

生活習慣病の大半は、「肥満」がベースにあります。

メタボ健診制度は、内臓脂肪に主眼を置いた国家制度です。
内科医の日々の診療は、まさに「肥満症」が相手です。

当院では、管理栄養士さん4名が交替で詰めて、予約なしでも食事指導ができる体制を保っています。
「食事で病気を治そう」と考えています。

よく、「水を飲んでも太る」と言われる方がおられます。
これって、減量ができない言い訳なのか、本当なのか?

中年以降の肥満は、「倹約遺伝子」で説明されています。
古来から、日本には飢饉などの食料危機が繰り返されてきました。
日本人は、思う存分食べられなくても、生存できる身体にできています。
食物から得られるわずかなエネルギーを大切に大切に利用して、
残りはしっかりと、脂肪として貯金をしておく。
そうした働きの遺伝子は、「倹約遺伝子」と呼ばれています。

日本人は、「倹約遺伝子」がよく作動している人種だと言われています。
中年になって倹約遺伝子のスイッチがオンになると、少しのエネルギーでも、すぐにお腹に貯まってしまいます。
自分の大きなお腹を眺めながら、「おお、倹約遺伝子がよう働くようになったな」と、ため息をついています。
なかなか減量できない患者さんには、「あなたは倹約遺伝子が、しっかり働いていますね」と解説します。

ものは言いよう。
これなら、傷つかず、やる気も折れません。

「水を飲んでも太る」という方にも、一理あります。
1日1食でも太る人がいますから、倹約遺伝子は厄介です。