医学会で発表するためデータを集計しているうちに
ふと疑問が浮かびました。
そんなことがあるからこそ学会発表をするのですが。
そもそも「独居の看取り」と言うのか?
「孤独死」と言うのか?、という命題です。
両者の区別がよく分からなくなってきました。
まず独居の定義としては、
・親族がいても普段はほとんど来ない人
・天涯孤独
のいずれかだそうです。
家族が昼間に働きに出て居ない人は、独居とは言いません。
しかし、独居でも最期の1~2週間は家族が毎日来たり
泊まり込んだりする場合が多いことがよく分かりました。
死ぬ寸前もひとりだけの「純粋な独居」はそう多くない。
たいていは、ヘルパーさんや訪問看護師が入っています。
以上が、独居の看取りの実情のようです。
一方「孤独死」という言葉がありますが、どのような意味?
誰にも見守られなかった死なのでしょうか?
そうなると、「独居の看取り」とダブる場合があるかも。
そんなことを考えていたら、誰かが教えてくれました。
「警察が入るのが孤独死で、入らないのが独居の看取り」。
なるほど、そう考えれば分かり易い。
となると、寝ている間に息を引き取った場合になるべく
早く発見されて主治医に連絡ができればいいだけなのです。
すなわち[孤独死]と言われないためには以下の2つが必要。
(1) 最期に死亡診断書を書いてくれるかかりつけ医の存在
(2) 毎日1回は見守ってくれるヘルパーさんか近所の知人
両者がいると、絶対に[孤独死]と言われないはず。
両者が普段から顔を合わせておくことが必要ですが。
そんな風に思い至りました。
今後、「みんなおひとりさま」となります。
そんな中、「孤独死」とならないためには、
(1)と(2)を普段から考えておいたほうがいいでしょう。
人が死ぬことは事件ではありません。
自然なことです。
警察のお世話にならないことも平穏死の条件だと思います。