《1421》 川の流れのように [未分類]

昨日は、朝から深夜まで雑用で走り回っていました。
そんな中、年1回の当院の弥生会が開催されました。
これは、遺族会、のようなものです。

しかし「人類みな遺族だ」という考えで家族会、にしています。
在宅看取りというご縁を頂いた人たちが年1回集まるのです。
旅立った人は残念ながら来れませんので、家族や看取り人が。

施設で看取った若いスタッフ達も来てくれました。
この世に生きてご縁のある人たちが集まり、
また、新たなご縁を結ぶ語りの会です。

というのも、私たちはみなさんを知っていても
家族同志は、ほぼ初対面のひとたちばかりです。
みんな「私だけじゃなかったんだ」と、思われたでしょう。

家族が胸に貯めたものを吐き出して欲しいと願っていました。
親しい人を失ったご家族は、どんな気持ちで暮らしているのか。
2~3年経った人でも、眠れないと毎日泣いている人もいる。

私は、美空ひばりさんの歌「川の流れのように」を歌った。
「川の流れのように穏やかに生きていきたい」と思いながら
みなさんと一緒に生きていたいという願いを込めて。

亡くなっても想ってくれる人がいたら、旅立った人も少しは
喜んでくれたのかな?なんて思いながら、下手な歌を歌った。
春はすぐそこのはずなのに、今週もまだじらされていますね。

月が明ければ、今度は在宅患者さんとのお花見会の準備です。
これはまだ生きている、しかし外出できない人を招待します。
あっ、まだ、なんて書いたら叱られそうですね。

先週、故・金子哲雄さんの奥さまの稚子さんが、講演された時、
「いまだ亡くならない人、と書いて未亡人といいます」なんて
みんなを笑わせていたことを、いま、想い出しています。

今週末の寒さを、仮設住宅で暮らすみなさまはどう感じるのか。
3年目の節目が近づき、被災地の報道が増えていますが、
どれを見ても、複雑な想いでいっぱいになります。

今月末に石巻市で講演することになっているのですが、
怖くて怖くて心配です。
本当に何ができるのか、何のために行くのか。

まさか「川の流れのように」を歌う訳にもいかないし……
しかし「雪解けを待つ」気持ちはしっかり伝えたい。
そんなこんなで、弥生の月も過ぎていきます。