《1428》 今も続く看取りの法律の誤解 [未分類]

「わしは24時間以内にこの患者を見とらん。
 だから死亡診断書を書くことができん。
 だから警察を呼んでくれ」

施設に入所中の方が、亡くなられた時や
在宅で息を引き取られた時に、このように
言われるお医者さんが現在もおられるかもしれません。

しかしこれは間違いです!!

主治医として定期的に診ていた患者さんが亡くなられたら
24時間以内に診ていなくても、亡くなった場所に行って
診さえすれば、死亡診断書を書くことができます。

これが「医師法20条」という法律です。
看取りは法律に基づいて行われています。
医者が勝手にやっている訳ではありません。

しかし、昭和24年にできたこの法律を
誤解している医師や市民がまだかなりの数、
おられるようです。
看取るのを救急車か警察だと
思っておられる方、おられませんか?

人の自然な最期に警察は関係ありません。
もちろん事件の疑いがあれば、話は別ですが。
万一、その疑いがあれば医者は通報する義務があります。

医師法20条のポイントを3つ書きましよう。

(1) 亡くなる瞬間に医者が居なくてもいいこと。
診断書に記入する死亡時間はあくまで推定でいい。 
介護者が気がついた時間で書いていいのです。
医者が到着した時間ではありません。

(2) 医者は、あとで診れば診断書を書けるのです。
だだし、これはかかりつけ医(主治医)です。
定期的に診ている医者しか書けません。
一見の医者は書けません。

(3)従って看取るという概念を変えないといけない。
看取るのは在宅の場合、多くは家族です。
医者は看取るのではなく診断書を書いているのです。

(続く)