朝日新聞にお手盛り介護やひもつきケアマネの
話が特集され、大きな反響のようですね。
「報われぬ国」の連載でお伝えした「お手盛り介護」「ひもつきケアマネ」(2月18日付朝刊)に対し、多くのご意見が寄せられました。これらをもとに取材した結果や取り組みなどを紹介します……
私はかなり以前からこれらの問題を指摘してきたので
何で今頃?
というのが正直な感想です。
というか、日常そのもです。
長いデイサービスを辞めただけで元気になった人がいる。
やめるだけなのですが、ケアマネがやめさせてくれない。
必要がないのに、お手伝いさんのように毎日2~3回
ヘルパーさんが入っている現場も見てきました。
主治医を呼ばないケア会議の現場に出合わせたことも。
それでいて、看取りに行くとケアマネやヘルパーが
「看とり搬送」していて家に誰も居なかったことも。
お手盛りやひもつき以上に大変なことが何度もありました。
医療と介護の連携とよく言いますが現実はまだまだです。
連携どころか、喧嘩しているような場合もあります。
私自身は、ケアマネ制度がおかしいと思っています。
ケアマネは中立のはずだが、中立では生きていけない。
中立性を確保しようと思えば、ケアマネの地位向上に
もっと力を入れないといけないと思う。
〝ケアマネ制度を憎んでケアマネを憎まず〟なんて
先輩医師から頂いたアドバイスを覚えています。
ケアマネさんはケアマネさんで必死、なのです。
一方、ケアマネから見たらお医者さんがあかんらしい。
たしかに、患者さんの生活を考えてくれない
主治医もいるのでしょうね。
ならば、どちらもどちらかな。
あと、変わった家族も多いし。
結局、面倒くさいので病院のほうがいいという医者も多い。
来月から消費税が上がりますが、焼け石に水に思えます。
現場にいると高齢者の医療介護の負担はものすごいもの。
縦割り医療、縦割り介護である限り際限が無い気がする。
ある程度「包括制」という概念を取り入れないと制度自体が
とても耐えられないのではないかという気がしてなりません。
高齢社会を支えるには大胆な仕組み替えが必要だと思います。
すなわち、お手盛り介護やひもつきケアマネは、あくまで
表面の現象であって、根っこは実は別の問題だと思います。
大きな仕組みは、政治家や官僚しか造ることができません。
昨夜、テレビ朝日の報道ステーションで尊敬する
岡原仁志先生の大往生の島(山口県)が紹介されていました。
素晴らしい番組でした。
しかし「おげんきハグニティ」を建設するのに、
岡原先生が何億円も自腹を切っていると報道されていました。
本人からも大変な負担であると伺っています。
大きな借金があるので、倒れるわけにはいきません。
岡原先生は身を呈して島の高齢者に尽くしておられます。
同じ医者仲間として、頭が下がります。
どうせなら岡原先生のように住民のために投資している
人にお金が回るようになればいいのにと思いました。
しかし現実には、その区別が難しいのでしょう。
どこまでが必要で、どこからが過剰なのか。
その線引は決して簡単ではないのでしょう。
やはモラルと志の時代なのかな、と思いながら見ました。