《1434》 医師会が勧める「心づもり」 [未分類]

昨日は、広島県呉市医師会が主催する市民公開講座に
500人もの市民が来て頂き、会場は満席状態でした。
1時間半ほど平穏死のお話をさせていただきました。

その後、医師会の副会長先生が、市民のみなさまに
アドバンス・ケア・プランニング(ACP)について
解説されました。

これは元気なうちから、終末期医療への希望を医療者や
家族などに書面に書き残しておこうという試みです。
外国から入ってきた概念で、日本ではこれからです。

「自分自身も持病があり、いつどうなるかうなるか
 分からないから」と会場を笑わせながら、
綺麗な小冊子を配って市民に啓発をされていかしました。

ACPというと英語なので、わかりにくいかもしれません。
広島県医師会では、いざという時の「心づもり」と翻訳。
高齢者は「心づもり」と言われたほうが理解し易いはず。

リビングウイルエンディングノートについて話を
してくれという依頼は多くありますが、医師会の幹部自身が
ACPについて平易に解説されたことに、少々驚きました。

広島県医師会は、おそらく日本で最初に市民にACPを
啓発している医師会だろうなと、大変感心しました。
地元尼崎でももっと頑張らないとと改めて思いました。

平穏死というと、2~3年前までは多くの病院や
医師会ではタブーのっ話題で、忌み嫌われていました。
上野千鶴子さんではないが講演が中止になったことも。

しかし、昨年から今年にかけてははどうでしょうか。

先週は、埼玉県東入間医師会に呼ばれました。
一昨日は、大津市医師会と滋賀県医師会に呼ばれ、
昨日は、広島県呉市医師会に呼ばれ、
今日は、静岡県市立御前崎病院に呼ばれ2時間話した。

思い起こせば、日本中の医師会から平穏死の講演を
医者と市民に一緒にして欲しいという依頼を沢山受け、
休日を全て返上して、行脚しています。

医師会というと悪いイメージを持っておられるかもしれませんが、
学校保健や産業保健などの地域貢献も沢山しています。
終末期の啓発も医師会の重要なテーマになってきました。

病院では平穏死しにくい。

病院にとって、これは“不都合な真実”ですが、一昨日は
琵琶湖中央病院が、今日は、市立御前崎総合病院さんが
主催者になって、市民公開講座を開催する時代なのです。

思い起こせば、亀田総合病院、徳州会病院、淀川キリスト教病院、
済生会病院、岩国医療センター、青州会病院、県立八重山病院
金沢脳神経外科病院、ジャパンパンメデイカルアライアンスなど
多くの病院さんからも、平穏死の講演の依頼を頂いてきました。

空気が変わろうとしているのを日々、肌で感じます。
医師会も変わってきている
病院も変わってきている。

平穏死は、もはや在宅医の専売特許ではなくなってきている
ことを今日は、みなさまのお伝えしたいと思います。
医師会と病院、そして市民が“まじくる”時代なのです。