《1442》 「一刻も早く、仮設を出て普通の生活を」 [未分類]

昨日から九州にいます。
大分県南部の佐伯市から博多まで3時間半。
まるで旅芸人にように電車に揺られています。

九州の西側は九州新幹線で早くなりました。
しかし東部の日豊本線は、時間がかかります。
佐伯は山と川と魚の町で堪能させて頂きました。

佐伯市の長門記念病院のお招きで、講演しました。
「ケアタウンながと」の開設記念イベントの一環。
立派な施設と素晴らしいスタッフの方と過ごしました。

ここでは医療法人と社会福祉法人が一体となって、
素晴らしい地域包括ケアが、実践されていました。
患者さんのためなら何でもやる。

困っている人のためなら、どんな苦労も厭わない。
リーダーたちの熱い覚悟がひしひしと伝わってきました。
千葉県鴨川市の亀田総合病院と全く同じ匂いがしました。

春休みでどこに行っても満員で、賑わっています。
しかし3日前に石巻で見たものは何だったのか?
あれからずっと考えています。

やはり「住まい」なんだな、と思います。
環境と生きがいです。
仮設住宅は、できるだけ早く解決するべきである!

阪神大震災の時も強くそう思いました。
仮設住宅が病気を作り、命を縮めていく。
医療ができることは、たかが知れています。

根治療法は、住まい、環境、仕事の確保です。
一人ひとりが自立してこそ、復興と言えるのではないか。
仮設生活に「依存」しないように、早期に対策が必要。

しかしそのためには、我々はどうしたらいいのだろう。
何ができるのだろう。
自分だけ良ければいいのか?

阪神大震災後と全く同じことが今回も繰り返されている。
拙書「共震ドクター」での提言は1%も活かされていない。
無力感で一杯の1週間でした。

悔しいです。

いろんな想いが頭を駆け巡っています。
行き場の無い悲しみが東北にある。
そして穏やかな休日が九州にある。

これから博多で、また講演です。
「独居の認知症 最期まで在宅は可能か?」
しかし、一体どこの話をすればいいのだろうか?

昨日の講演同様、石巻の仮設住宅の認知症の方の
話から始めようと決めました。

とにかく一刻も早く、仮設を出してあげたい。
普通の生活に戻してあげたい、と。