《1449》 五木寛之氏の「生きていることは凄いこと」 [未分類]

昨日は、兵庫県伊丹市で、第1回ビハーラ研究会が開催され
私はシンポジストとして呼ばれ、いろんなお話をしました。
伊丹市は、私が小中高と育った町。

記念講演は、作家の五木寛之氏が「生きること」と
題して90分間お話されました。
書籍等は読んだことがありますが、講演を聞くのは初めて。

五木氏は80歳を超えておられますが、
今まで1回も医者にかかったことがないそうです。
かからないように日々、いろんな努力をされているそうです。

昨年は転倒しないこと、今年は誤嚥しないこと、など
具体的な目標を定めて日々いろんな努力されています。
単に長生きするだけでなく、健康での長生きを目指しておられる。

また「生きている事」自体が凄いことであることを話されました。
生きて、それで余裕がある人は、社会貢献したり仕事をしたりすればいい。
しかし、そもそも、生きていること自体がもの凄いことだと。

五木氏は仏教に造詣が深く、仏の教えにも触れられました。
なにせ、「ビハーラ研究会」の催しですからね。
ビハーラとは、「ホスピス」に相当する仏教の施設のことです。

講演の前後に五木氏と直接少しお話しをさせて頂きましたが、
穏やかで紳士で、どこか少年の匂いがしました。
直接お会いして、もっとファンになりました。

育った町で五木氏の話を聴けるなんて、なんて幸運なのでしょう。
ほとんどの日本人の根底にある仏教というものが、もっと身近に
なり、もっと困っているひとの力になればいいと思いました。

仏教者も変わろうとしています。
何を隠そう、私自身も仏教の本は毎日なにか必ず、読んでいます。
隠れ仏教徒、在家信者なのかはよく分りませんが仏教が大好き。

五木氏といえば、親鸞さんの著書でも有名です。
五木氏とお会いできるということで「親鸞」も読んで行きました。
「親鸞」の教えは、現在の医療界に求められていると思いました。

私自身は、善通寺で生まれたこともあり、空海さんの大ファンなの
ですが、昨日から、親鸞さんのファンにもなりました。
両者は、約300年ほど生きた時代が違います。

緩和ケアという言葉は、どこか西洋的な匂いがします。
モルヒネにしてもホスピスにしてもキリスト教的です。
しかし日本的なビハーラも、もっと人々に役だつはず。

五木氏のお話を伺いながら、様々なイメージが浮かびました。
今後もささやかながらビハーラケアの発展にも協力できれば、
という想いを強くした1日でした。