《1451》 眠気で困った患者さんの場合 [未分類]

オピオイド鎮痛薬が必要になり、オキシコンチンという
錠剤を開始した在宅患者さんの話です。
最少量から開始して、1週間後には2倍量まで増量。

痛みはだいたい止まったのですが眠気が生じました。
ご家族に聞くと1日中、ウトウトしているとのこと。
オピオイド鎮痛薬の副作用のひとつである眠気です。

こうした眠気を訴える人が多いわけではありません。
多くの人は眠気は出ませんが個人差があるようです。
事前に予測することはできません。

痛みを取るか眠気を取るのか難しい局面になりました。
まさか、精神刺激薬を飲ませるわけにはいきませんし。
そのような方法もあるようですが、私自身はしません。

結局、オキシコンチンを諦めて、フェントスという
1日ごとに貼り替えるタイプの麻薬に変更してみました。
すると、眠気が無くなりました。

このようにオピオイド鎮痛薬の種類を変えることは、
時々あります。
副作用が出る場合や、増量しても効かない場合などです。

医学的には、オキシコドンからフェンタニールへ
オピオイドローテーションする、と言います。
モルヒネに変更する場合もあります。

1つの系統のオピオイド鎮痛薬で副作用が出たり、
効かなくなった場合は、他の種類に変更していいのです。
絶対にこれがいいという系統があるわけではありません。

私の場合、次の換算式しか頭にありません。

 塩酸モルヒネ        60mg
=オキシコンチン      40mg
=デユロテップパッチ  4.2mg
=フェントス                    2mg

「円とドルとユーロの為替と同じこと」と説明しています。
30分位説明すると、家族も本人も納得し覚えてくれます。
当院では看護師などのスタッフも、この換算式を覚えています。

そしてレスキューの1回量は、土台の6分の1です。
オキシコンチン40mgの人なら、オキノーム5mgです。
割算で端数が出る場合は、四捨五入などで決めています。

いずれにせよ、オピオイド鎮痛薬はその人の痛みを取れる量に
達するまで徐々に増量していきますが、副作用が出るとか
効かなくなる場合は、系統を変えても全然いいのです。