オピオイド鎮痛薬の中でも最近の進歩といえば、
貼り薬タイプの薬が開発されたことでしょうか。
30年前はカクテルだったのに 今は貼り薬!
さて、貼る麻薬には2種類あります。
1日タイプ(フェントス、ワンデユロ)と
3日タイプ(デユロテップパッチ)です。
どちらも「フェンタニル」なのですが、
前者は毎日貼り替えます。
一方、後者は3日間ごとに貼り替えます。
貼るタイプを使う時に、どちらを選ぶかいつも迷います。
3日に1回家族が来る人には、3日タイプが多く、
自分で貼り替えることができる人には1日タイプ。
あと、お風呂との関係で決まることがあります。
毎日入浴する人は、入浴の前後で貼り変えられる
1日タイプが合理的です。
どちらのタイプも、入浴時にお湯につからない部位に
貼ることが重要です。
温まると、皮膚からの吸収率が異常に高まるからです。
口から食べられる人は飲むタイプを選ぶのが原則です。
しかし副作用などで使えない時は、貼るタイプを使う。
貼るタイプは、比較的副作用が少ない感触です。
もちろん最初は、最少量から開始します。
時に、最少量の2分の1から開始することもあります。
その場合、切るのではなく貼る面積の半分を紙で覆います。
貼るタイプ(フェンタニル)を土台として選択した場合の
頓服(レスキュー)は何を使うか?
従来は、液体のオプソや粉薬のオキノームを使っていました。
しかし、昨年フェンタニルのレスキュー用が発売されました。
イーフェンとアブストラルです。
両者は似ていますが、剤型に伴い使いかたは少し違います。
高価であることやまだ使い慣れていないこともあり、
私は、まだオプソやオキノームをよく使っています。
今後は、もう少し使い分けを勉強したいと思います。
いずれにせよ貼るタイプの麻薬が普通に使えるように
なったことは、在宅ホスピスにとっても朗報でした。
こんな国は日本だけではないのか! と感謝しています。