《0148》 非喫煙者の肺がん [未分類]

先日、芸能リポーターの梨元勝さんが、肺がんのため、
65歳で亡くなりました。
診断を受けてから、わずか2カ月半という早さでした。

最近、肺がんで死去した有名人には、加藤博一氏(元野球選手)、
峰岸徹氏(俳優)、筑紫哲也氏(ジャーナリスト)、大浦みずき氏(元宝塚)、
井上ひさし氏(作家)、つかこうへい氏(劇作家)の方々がいらっしゃいます。

肺がんは日本人のがん死亡の1位です。
肺がんとタバコは、関係が深いことは事実ですが梨元さんは、非喫煙者でした。

タバコは、肺がんの大きなリスクファクターですが、非喫煙者が肺がんに
ならないわけではありません。
ここは誤解のないよう、注意が必要です。

肺がんは発生する場所によって、肺の入り口の気管支に近い
肺門部のものと、その奥の肺野部のものとに分類されます。
肺門部に出来る肺がんは、喫煙者に多く、血痰、せき、肺炎
といった症状が出やすいがんです。

一方、肺野部のがんは「腺がん」が多く、あまり自覚症状がありません。
そして、非喫煙者の腺がんが増加しています。
梨元さんは「4月から空咳が止まらなかった」そうです。
どのタイプのがんだったか、どうかは不明ですが、もっと早くに、
医療機関を受診していたら……。

肺がん検診で、がんが早期発見され治る人が増えています。
CT検査で、レントゲンでは検出できない小さながんが
発見されることはよくあります。

しかし、CT検査には常に放射線被曝の問題があります。
また、精度が高いためにがんもどきの影が沢山引っかかり、
精密検査のコストや無用な不安というデメリットもあります。

最初からCTで検査した方がいいという意見もあります。
しかし、CT検診で肺がんの死亡率が低下したという、説得力のある
データがまだありません。

タバコを吸わない人のがんの多くは、症状がないだけに、早期発見が重要です。
デメリットも理解したうえでCT検診を受けるのも一法ではないでしょうか?