《1481》 成功大学と昭和天皇の木 [未分類]

台湾の主要都市名は非常に分り易い。
台北、台中、台南と、そのままです。
昔の首都は台南でしたが、現在は台北です。

台南市にある国立成功大学は、日本でいえば京都大学でしょうか。
広大な敷地の中に様々な学部が点在し、中にある公園は台南の市民
にとっては太極拳をはじめさまざまな憩いの場でもあるようです。

台湾の歴史は知っているようで何も知りませんでした。
オランダに支配された時期、清王朝に支配された時期、
そして日本に支配された時期と様々な歴史があります。

構内の建物の多くはとても歴史があるものばかりで、
戦前の日本の時代に造られたものが沢山そのまま使われていました。
大学そのものが歴史遺産のような雰囲気です。


成功大学は元々、工業高校として日本人が造った学校だそうです。
歴代の学長さんの写真を見ると4代目まで日本人でした。
戦前の台湾は日本でしたから日本人卒業生も沢山います。

大学内の公園には昭和天皇が植えられた有名な木が友好の
シンボルとして、台南の地元市民たちを和ませていました。
大きな木陰に入ると5度涼しいとのことでした。

木陰の中に入って遊ぶ無邪気な子供たちのそばを、リスや野鳥が
飛び回っていました。
「放牧(?)」されている車椅子の“おばあちゃん”を見つけました。

話しかけてみると、なんと日本語で返されました。
年齢は90歳で、自分の名前をちゃんと書かれました。
無理を言って一緒に写真を撮っていただきました。


大学の歴史を展示した博物館もありました。
良き時代の日本が、その中にありました。
当時の人々がどれほど勤勉に学問に励んでいたかを痛いほど感じました。

現代の日本人が忘れてしまったものが、博物館の中にたくさんあった。
努力、工夫、勤勉、真面目、正直、互助……
そんな言葉たちが心に突き刺さるような感慨を持ちました。

大学の図書館はとても大きく立派なもの。
どの学部も建物が立派で歴史を感じます。
なかでも医学部とそれに隣接した附属病院はとても立派です。

大学病院自体は、建築後30年経過しているとのこと。
中の様子は日本の大学病院とよく似ています。
しかし、どこか少しノスタルジックな感じもします。

点滴を下げて衰弱した人や、見るからにやせ衰えた人や
車椅子の子供さんなど、高齢者というより、病人さん(?)
といった感じの人たちとご家族が沢山出入りしていました。

その10階にある緩和ケア病棟の様子を詳しくお伝えします。

(続く)