《0158》 家の中での死に場所 [未分類]

今回は、「家の中の危険な場所」についてお話しします。

家の中で、倒れる場所は大体決まっています。
結論から言うと、トイレと浴室、です。

「トイレや浴室で亡くなっていた」という話は、聞いたことがあるでしょう。
私自身も、何人も経験しました。

冬の寒い朝、警察から電話がかかってきたら、このパターンです。
「トイレで気絶している」と、緊急往診を依頼されることもシバシバです。

排尿失神という、自律神経反射による、一過性の意識消失です。
しばらく様子を見ていると、自然に回復します。

トイレや浴室は気温が低く、大きな血圧変動が起こる場所です。
そこで、何か重大なことが、起こるのです。

私は、独居の在宅患者さんには、いつもこう言っています。
段差につまずいてこけないでね。

そして、トイレとお風呂は命がけで、入ってね。
下手したら、そこがあなたの死に場所になるからね。

皆さん、笑っています。
しかし、その1週間後に、本当に朝トイレで亡くなっていた人もいました。
やはり「転倒」も含めて、怖いのは「病気」より「事故」なのです。