《1619》 オランダの安楽死と日本の平穏死 [未分類]

オランダというと、福祉の国として有名です。
介護施設や認知症ケアなど、日本から視察ツアーの
お誘いをよく頂くくらい、社会保障の先進国です。

そのオランダにおける安楽死の現状報告を聞きました。
オランダ安楽死協会(NVVE)の会長さんの講演。
毎年、安楽死を選択する人が増えています。

末期がんが大半ですが、認知症の人も毎年40~50人
が安楽死しているそうです。
耐えられない苦痛があるのかどうか私は疑問に思いました。

当然、こうした制度に反対する人がオランダにもいます。
多くは宗教的な立場からと、医師の倫理からの
反対だと思います。

実際に、御夫婦が一緒に安楽死するシーンを見ました。
なぜ一緒なのか、理解できませんが、仲良く手をつなぎながら
点滴をしながら旅立つという信じられない光景でした。

私は、正直、とても理解できませんでした。
そんなことをしなくても、最期まで楽しんで穏やかに
逝けることをよく知っているからです。

私が看取らせて頂いた患者さんのご家族が証人です。
公開できませんが、映像ビデオも沢山撮っています。
自宅での平穏死しかない毎日です。

オランダというと何でも進んでいるような気がします。
北欧崇拝というかそんな雰囲気が日本にあると思います。
そしてなんだか日本が、かなり遅れているような……。

しかしそれは大きな誤解であるという想いが強くなりました。
そんなことをしなくてもいいんだよ、と言いたいのですが、
医療制度や医療レベルが前提となるので簡単には意見できない。

安楽死と平穏死はまったく別物です。
私は安楽死には反対です。
その想いが強くなりました。