《1667》 熱の出ない肺炎 [未分類]

先日、在宅医療で診ている90歳代の患者さんのご家族から
電話がかかってきました。
「最近、食欲が落ちたのです」とのこと。

往診して背中に聴診器を当てると雑音が聞こえました。
気になったのでレントゲンを撮ったら、「肺炎」でした。
しかし発熱は、まったくありませんでした。

あと、脈拍が90回台といつもより明確に速かったです。
このように高齢者の肺炎では発熱が無い場合があります。
肺炎=発熱、とは限りません。

その場合、頼りになる手掛かりは、食欲低下と頻脈です。
うっかりすると見逃したり、発見が遅れることもあります。
しかし高齢者にとって肺炎は、もっとも一般的な病気です。

尼崎市でも肺炎球菌ワクチンの公費助成が始まりました。
通常7000~8000円のところが、助成券を持参すると4000円。
このご時世では高額かもしれませんが、受ける人が増えています。

肺炎球菌ワクチンは、5年間有効です。
一方、インフルエンザワクチンは、数カ月が有効期間。
両方受ける高齢者が増えています。

大人だけでなく、子供さんもインフルワクチン接種の季節です。
免疫ができるまで2~3週間はかかると言われています。
ワクチン接種も、着々と冬仕度に入っています。

昨夜の来院患者数は、今年最高の数でした。
風邪をこじらせての往診依頼も毎日のようにあります。
町医者はやはり冬の方が忙しいな、と改めて思っています。