いくつもの医療機関にかかっている人が増えています。
先日も5つの病院と1つの開業医にかかっている人から
「どうすればいいのか分からない」との相談がありました。
- がん拠点病院
- 糖尿病科
- 消化器科
- 泌尿器科
- 精神科
そして
- 内科開業医
それぞれ、別の医療機関です。
そして7件目が、私でした。
お薬手帳をみましたが、何がなんだかよく分かりません。
日本の医療制度はフリーアクセスですから、いくつかかろうが
制度上は制限がありません。
しかし誰がどう考えても、7件は多すぎるのではないか。
本人は、自分はそれだけの重病人だと思いこんでいます。
最高の専門医軍団にかかっておればとりあえず大丈夫だろう、と。
私は「一番危ないパターンだな」と思いましたが、言わなかった。
分厚い資料ノート、検査結果をメモしたノートなどの詳しい説明を
聞くだけで30分かかりました。
途中で、少し寝てしまいました。
こうした患者さんは、1カ所ではとうてい安心できないので
ついつい多重受診を繰り返す傾向があります。
家族や配偶者が一番の被害者です。
「不安」が多重受診を誘います。
「専門医信仰」が各界の名医の追っかけをつくります。
そしてその根底には、「認知症」があるのでは? と思いました。
すでに精神科にもかかっておられるので余計なことは言えません。
できれば“かかりつけ医”を決めたほうが絶対にいいですよ、と説明し
拙書「大病院信仰、どこまで続けますか?」を渡しました。
日本にはこうした“信仰心”が厚い方が沢山おられます。
入院に際しての有力議員さんの口ききが、今でもあるそうです。
世の中にはいろんな人がいるものだと、とても勉強になります。