《1691》 「顔に咳」 お返しは禁煙治療で [未分類]

普通の人は、自分の顔に他人の咳をかけられることは
まず無いし、もしそうなれば怒る人がいるでしょう。
しかし私は毎日、咳や痰を顔にかけられています。

この寒さで、風邪症状で来院される人が急増しています。
風邪症状の人には、院内感染防止のため受付でマスクを
渡していますが、診察室では外していただきます。

喉を診察するためです。
扁桃腺の状態、喉の奥にブツブツが無いかなどを目で見る。
それは大切な情報で、医師は必ずしなければならないことです。

「はい、アーンして」

しかしその瞬間に激しい咳と、時には痰が顔に飛んできます。
それは嫌なものです。
よりによって顔に直接かかるのが、診察室での日常です。

多くは喫煙者です。
タバコの匂いがプンプンするので、すぐに分かります。
咳や痰をかけてくる人の大半は、喫煙者。

しかし「タバコを憎んで人を憎まず」。
ぐっと我慢して、禁煙指導に力が入ります。
転んでも(?)タダでは起きません。

3人に1人ぐらいは、禁煙に興味を示してくれます。
実際に禁煙治療に入るのは、10人に1人くらいでしょうか。
それでも、風邪で受診された人の1割でも禁煙できれば上々。

寿命は10年延びるし、お金では何千万円もお得になります。
そして社会全体にとってもプラスである、と信じています。
つまり禁煙は個人にとっても社会にとってもお得なのです。

この季節とは、そんな季節なのです。

PS)

全国的にかなり寒くなっています。
早くもインフルの流行宣言が出ました。
健康管理には、くれぐれも気をつけて下さい。

長崎行きの機内でこれを書いています。
これで3週連続の九州講演になります。
終了後は直帰して、在宅を回ります。