《1700》 私を育ててくれた長野県に学ぶ [未分類]

師走も気がつけば、はや後半です。
昨日は、長野県諏訪市で市民に講演をしていました。
一番に市長さんが出迎えてくれました。

最近は終末期医療の講演なのに、市長さんやら
医師会長さんが出迎えてくれることが多くなりました。
長野県は、低医療費で健康長寿を達成している県です。

そんな場所に、尼崎の町医者が行って何を言えばいいのか。
ところで長野県は、私を育ててくれた場所でもあります。
大学時代の6年間、長野県下伊那郡浪合村(現:阿智村)に何度も通いました。

人口800人の無医地区だった浪合村で、減塩指導という
名目をつけて独居世帯を手分けをして回っていました。
当時、それは「家庭訪問」といいました。

村の人たちに教わることのほうが多く、今、自分があるのは
優しい浪合村の人たちのお陰であると感謝しています。
当時は、深夜に新宿駅からあずさ号に乗っていました。

30年以上昔の話です。

過去に何十回も通過した上諏訪という駅で初めて降りました。
立派な市民会館で市民にお話をしましたが、看護師さんや
医師も来られていました。

私の話は市民だけでなく、医師や看護師が聞いてもいい内容にしているつもり。
先週の長崎でも、わざわざ遠方から医師に聞きに来ていただきましたが
昨日も、長野県内の遠方から聞きに来てくれていて、感激しました。

全国的に寒くなった昨日は、諏訪市でも今年一番の冷え込みでした。
朝は氷点下になったそうで、山には雪が少し積もっていました。
帰りの列車のホームで待つ気温は、おそらく零度くらいでしょうか。

長野県は須坂市に代表される「保健指導員」で有名な県です。
各地区に指導員がいて、普段から予防医療や健康増進に
地道に取り組んでいるので、健康長寿なのでしょう。

昭和40年代半ばから、やっているそうです。
私は昭和60年代に浪合村に入っていましたが、佐久総合病院は
知っていても保健指導員のことは詳しく知りませんでした。

諏訪市でも前日に、指導員の講習会が開かれたそうです。
こうした草の根運動が、脈々と続いていることを肌で感じました。

私が子供のころから、そんな地道な取り組みをしてきたからこそ
健康長寿を実現できていたのでしょう。
現代では減塩だけでなく、認知症予防や認知症ケアにも役立つはず。

がんになっても認知症になっても、住み慣れた地域で暮らしたい。
そんな願いは、どこに住んでいても同じはず。
長野県の先進的な試みが、全国に広がればいいなと思いました。