《0172》 医師の労働条件改善を考える [未分類]

自分でもよく死なずに、ここまで生きてこれたと思います。
現在も結構激務ですが、半分は自分の趣味のようなもの。
今、自分は生かされている、と感じています。

さて、医師も人間。
勤務医も1人の労働者。
雇用主は、労働基準法を守る義務があります。
守らなければ、本来は、法的処分を受けるはずです。

しかし現在も、勤務医のサービス残業が続いています。
当直明けで寝ないまま、そのまま手術に入っています。
現実は、あまり改善していません。

医師の労働条件を改善する第一歩は、過重労働を容認している全国の
病院管理者を一斉に取り調べることです。
しかし、現実にそんなことが可能でしょうか?

長い目で考えると、ショック療法的な処置が必要だと思います。
そうしないと、病院から逃げ出す医師が止まりません。
逃げ出す医師が悪いのではなく、法律を守らない雇用主の責任です。

しかし過重労働は、そもそも医療費削減政策が続いたため。
過重労働でいくら頑張っても、赤字かトントンがいいところ。
根本的な原因は、現在もほとんど未解決のままです。

読者の皆様もぜひ、考えてください。
もし、自分が病院長なら、どう行動しますか?
逮捕されますか?
逃げ出しますか?

現在も、多くの病院が、労働基準法違反状態です。
なぜ、監督役所は、病院管理者を調べないのでしょうか?
調べると病院が営業停止になり、市民が困るのでしょうか?

一方、勤務医はなぜ、大きな声を上げないのでしょうか?
医者は、過重労働にも耐えるべき職種だからでしょうか?
聖職と言われてきたのに、残業でガタガタ言うのは憚(はばから)れるから?
ここ辺が一番難しいポイントでしょう。

理想と現実の狭間で、平行状態のままです。
しかし、違法状態を放置すること自体が罪なことです。

何か、事件が起こらないと変わらないのが、日本人の体質でしょうか。
いや、もう起こっています。
そう、中原先生の事件。
して今後に活かすべき画期的判決も!

この判決を医療者と国民双方がしっかり噛みしめて、今後の医療政策に、
早急に活かすべきです。
とても大きな課題だと思います。