今週、長野県松本市で在宅医療の講演をしていました。
懇親会の席で、医療者に聞いて回ったことがあります。
「長野県は、なぜ健康長寿なのか?」
一般に寒い地域は血圧が上がり脳卒中を起こすとイメージします。
海がある温かい地域のほうが、寿命には良いような気がします。
しかし長野県はその法則からは外れています。
実にいろんな答えが返ってきました。
佐久総合病院に代表される農村医学が発達しているから。
教育レベルが高いから。
須坂市の代表される保健指導員制度などの予防医療があるから・・・
結局、どれが一番の理由なのかよく分りませんでした。
さらにこんな意見も出ました。
昔の長野は貧しいから、二男、三男は外に食い口を求めたと。
すなわち、働かなくてはいけないので病気をしてられないと。
田山が多く高齢者も農業を一生懸命するのでそれが体にいい。
とうとう、長野県から外に飛び出した人の話になりました。
満州、北海道、台湾、ブラジル・・・
新天地を求めて世界に飛び出した、いや飛び出さざるを得なかった
時期が長野県にはあったようです。
私が思うに、長野県人の几帳面さにヒントがあるのではないか。
長野県人は、とにかく物事に真面目にコツコツと取り組まれます。
講演等で何度か長野県に伺いましたが、どこもきちっとしています。
そんな調子で、自己管理もしっかりやれているのかな?
なんて勝手に想像しながら帰りました。
駅のホームには雪が積もっていて、結構寒かったですが。
100寿者が5万8千人を超える時代です。
どこまで寿命は延びるのでしょうか?
いや、延ばせるのか?
しかし、要介護期間が10年近くあるのも我が国の特徴です。
目指すべきは健康長寿ではないかと思いますが、まさに
長野県を研究して見習うべきだと思いました。
そう挨拶したら、「いや、そうとも言えない」との声が。
長野県も最近は、車社会になってあまり歩かなくなったと。
運動不足はどこの県でも共通、文明社会の宿命なのでしょうか。
今週、「寝たきりにならず、自宅で平穏死」という本が出ました。
誰だってできるなら、寝たきりになりたくない。
自分の力で、予防できるところはしっかり予防したい。
ピンピンコロリは難しくても、準ピンピンコロリを目指したい。
要介護度が年々上昇するのが当たり前だと思っていたら、間違い。
年々、自助、共助で要介護度を下げている自治体もある!
そんなエピソードなども交えて書きました。
ご興味のある方はどうぞ、読んでください。