ヘルパーさんによる痰の吸引が議論されています。
私は問題ないと思いますが、体に入れる行為が問題のようです。
特に困っているのは、インスリン注射や胃ろう注入です。
インスリンは、患者さん自身や看護師さんが打つのはOKですが、
ヘルパーさんは無理なようです。
だから、週3回だけ、看護師さんに打ってもらう患者さんもいます。
最近、ヘルパーさん対象の医療知識の勉強会が増えました。
例えば、麻薬に代表されるお薬の知識もある程度は必要です。
独居の場合、ヘルパーさんがお薬の管理をすることが多いから。
在宅医療では、ケアマネが招集する「ケア会議」が、ご家族も含めて
最高の意思決定機関です。
その席で、私たち医師は医学的な話をします。
ヘルパーさんは、医学的な情報を強く求めています。
患者さんがこれからどうなるのか?
何が起こっているのか?
やはり、知っておきたいのでしょう。
最近、ヘルパーさんと話す時間が増えました。
1週間のうち、1時間は話しているでしょう。
雑談も含めたら、もっと話しています。
知らず知らずのうちに、ヘルパーさんの世界が少しずつ分かるようになりました。
例えばヘルパーさんの収入に、大きな差があることも……。
病院の先生は、ヘルパーさんと話す機会などないでしょう。
私は、ヘルパーさんから多くの患者や地域の情報を得ています。
ヘルパーさんや民生委員さんは、地域医療のまさに知恵袋です。
「ヘルパーは見た」ではありませんが、驚くべき情報を得ることも。
在宅医療とは、病気のみならず、人や家族を診ること。
だから、家族関係も深く知っておきたいものです。
地域のヘルパーさん主催で、患者さんの家で、近所の人を集めて
ミニ講演会をすることもあります。
先日は「認知症の予防」についてお話ししました。
これも地域の多職種連携なのかな、と勝手に思っています。
今後もヘルパーさんとも良好な関係を築きたいと思います。
ヘルパーさんの役割は、想像以上に大きいと年々感じます。