東日本は、雪で大変ですね。
往診ができない地域も沢山あるでしょう。
医療よりも日々の生活が大変だろうと思います。
数年前、北海道の陸別町を訪問しましたがそこは
日本一寒い町として有名でした。
マイナス42度の日本記録が残されています。
しかし陸別の開祖である関寛斉医師は、川の氷を叩き割り
その下を流れる水に布をひたし、毎朝寒風摩擦をしました。
それで病気ひとつぜずに極寒の北の大地を開拓したのです。
今から110年くらい前の話です。
当時は、今のような薬はありませんでした。
西洋医学の祖でもある関医師は、漢方薬を使っていました。
旧・陸別駅にある関寛斉資料館には、漢方薬を煎じた器具が
展示されていますが、お薬中心の医療ではありませんでした。
貝原益軒の養生訓や関寛斉の養生訓こそが医療の中心でした。
現在、医療=お薬になってしまっています。
高血圧、糖尿病、高脂血症、そして認知症のみならず
逆流性食道炎までも「お薬で治そう」という時代です。
医者は製薬会社の販売員になってはいけないと常に思います。
理想は、お薬の無い医療のはずです。
関寛斉の時代と比べるとお薬の数だけ病気が増えただけのこと。
世の中には、お薬を減らすだけのクリニックがあります。
薬は一切処方せず、クスリの減らし方をアドバイスするクリニック。
実は、私も同じようなことをやることがよくあります。
世の多くの医者が、お薬漬けになっています。
医学部教授たるものが、お薬の宣伝マンとなり全国を走り回って
いる姿を見るにつけ、医療もそろそろ終末期に来たなと感じます。
医の原点にはそんなことは書かれていません。
お薬は最低必要限に留めるべきです。
しかし現実は、その逆方向に凄い勢いで進んでいます。
医療は一見、進歩しているように見えるかもしれませんが、
町医者の目には100年前より退化しているように見えることが多い。