今日と明日は奄美大島で2日連続の講演をしています。
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さて、昨年、こんな相談も舞い込みました。
大阪のある訪問看護ステーションからのSOSでした。
肺気腫で苦しんでいる患者さんがいて、見るに見かねた
訪問看護師が、主治医に緩和医療をお願いしたそうです。
しかし主治医は、こう言い放ったそうです。
「そんな安楽死みたいなこと、僕はできない!」
実は、緩和医療と安楽死は別物です。
呼吸困難を緩和する薬剤として、私は安定剤、
ステロイド、酸素などを用います。
しかし主治医は、緩和医療と安楽死の区別がないよう。
あるいは、両者を混同しているようでした。
相談してきた訪問看護師のほうが、ずっとわかっています。
世間一般でも、時として尊厳死と安楽死は同一視されがち。
しかしどう考えても、緩和医療という医療は、安楽死と関係なく
30年前から存在しているので、同じと言うのは間違いです。
医学教育に死に関する講義がないことが、そうした偏った
認識になるのではないかと、昨日に引き続き想像しました。
「やはり、わかりやすい本を書かねば」という想いが強くなりました。