認知症に関する相談も増えています。
久々に会った90歳台の父親がかなりボケている! と
70歳になる息子さんが相談に来られました。
専門医が出す薬も、あっているか心配だと……
それは主治医に聞いて下さい、とキッパリお断りしたのですが、
その息子さんは帰ろうとせず、いろんな話を一方的に続けている。
看護師さんにお願いして、診察室からの退出を促してもらった。
しかし、わざわざ相談に来られたその息子さんの不安に応えるべく、
90歳台の男性の家に往診してみることにしました。
百聞は一見にしかず、が私の行動指針だからです。
父親とは初対面なので最初は警戒していましたが、すぐに打ち解けました。
約1時間、父親と介護をされている母親と、いろんな話を楽しみました。
その結果、歳相応のボケはあるものの、病的ではないと判断し、息子に伝えました。
それでも息子さんは「抗認知症薬の増量」だの
「施設の予約」だの、様々な心配ごとを口にされました。
今は何も問題が無いのですが、10年後を考えておられました。
私がいくら「お父さんはボケていませんよ! 大丈夫!」
と太鼓判を押しても、聞く耳を持ちません。
「あなたのほうがボケてる!」と思いましたが、言いませんでした。
本当に言ったら、大変なことになります。
「認知症 検査する医者 認知症」
という川柳がありますが、笑えません。
そのようなことが実際にあるからです。
同様に、
「認知症 相談に来る家族 認知症」
ということも、現実にあります。