《0179》 「お酒、バンザイ!」 [未分類]

禁煙したうえに、禁酒までしたメタボ患者さんがおられます。
禁煙は指示しましたが、禁酒は指示していません。
しかし、私を喜ばそうと思ったのか「禁酒しています」と胸を張ります。

「禁酒しなくてもいいのに……」と思いましたが、
「まあ一時期、やめてみるのもいいでしょう」なんて返しました。
減量のためには、確かに効果的だと思います。

よく、酒とタバコは同列に扱われます。
酒も、人によってはニコチン同様、依存症になります。
しかし、量さえ守れば、酒は基本的にはお薬だと思います。

皆様も、よくご存じのようにアルコールを分解する酵素の遺伝子を
全く持っていない人、少しだけ持っている人、フルに持っている人、
に分かれます。

私は少しだけ持っている人です。
日本人の大半がこれ。
付き合い程度に飲めるけど顔が赤くなるのは、このタイプです。

初めて酒を飲んだ成人式の夜、吐きまくりました。
天井が回りドキドキして、心臓が止まるかと思いました。

大学に入ると、先輩に酒を強要され、ウイスキーの原液をコップ1杯
一気飲みして、気を失ったこともあります。
路上や公園で寝たことも何度かありました。
大学6年間、よくも死なずに過ごせたものです。

そんな日々の鍛錬(?)のお陰で、アルコール分解酵素が誘導されたようです。
医者になってからは、まずまず飲めるような体になりました。

30歳代に祝いの席で日本酒を一升飲んだこともありました。
翌朝、起きれなくて、先輩医師にひどく怒られました。

現在、お酒を飲むのは週に2~3日程度です。
深夜帰宅になりますので、夕食が午前零時を回ることも。
チビチビ日本酒やワインを飲みながら、このブログを書いています。
看取りがありそうな夜は、飲まずに我慢しています。

一般的にアルコールの適量は、1~2合と言いますが、私は、
かなりの個人差があると思います。

昔、毎日ウイスキーボトルを数本飲むという患者さんがいました。
最近でも、毎日ボトル1本飲むという女性が来られました。
γGTPを調べると、ナントひと桁でした。

お酒を飲める遺伝子のようです。
その人たちの多くは、高知県や鹿児島県出身です。

少量のお酒は、血流をよくして気分をほぐします。
老衰で寝たきりでも、夕食時に少量だけ飲んで楽しんでいる方もいます。
まさに、「酒は百薬の長」だと感じます。

時に、睡眠薬代わりに飲む人がおられますが、邪道だと思います。
確かに入眠できますが、中途覚醒や早朝覚醒にもなります。