《0183》 日本尊厳死協会が新たな船出 [未分類]

10月17日午後、東京・有楽町で日本尊厳死協会の
設立総会が開催され、私も参加しました。
作家の曾野綾子さんが、記念講演をされました。

35年前、太田典礼先生が「日本安楽死協会」を設立され、
その後、「日本尊厳死協会」に改名されました。
今回、一般社団法人という法人格を得ました。

尊厳死とは、死期が近づいた時に延命処置を拒否するという
自らの意思表示です。
リビングウイルとも言います。

脳に障害が出たり、意識が低下して、本人の意思が
表わせなくなる場合が現実には、よくあります。
そのために、尊厳死協会のカードを事前に医療者に示しておくのです。

アンケートを取ると日本人の8割が、回復の見込みのない終末期の
延命治療を希望しません。
しかし、それが自分の家族となると、その数字がグッと下がります。

最近、女優の仁科亜希子さんが、「私は尊厳死を選択する」と発言され、
話題になっています。
「自然死」や、最近ベストセラーになった「平穏死」も同じ概念です。

私は、多くの終末期の患者さんを、在宅医療で診ていますが、
在宅での看取りも、尊厳死そのものです。
尊厳死は苦痛の少ない最期であると、15年間の経験から言えます。

日本尊厳死協会の会報には、全国の協力医師が掲載されています。
私も会報に2回、小文を書かせていただきました。

驚いたのは、私が診ている患者さんに、数名、会員さんがいたこと。
「先生、何でこんな文章書いているの?驚いたわ!」
「あんたこそ、何でこんな会に入ってるの?」
また、新たな関係が始まりました。

尊厳死の選択とは、苦痛の少ない人間らしい最期の選択であり、
医療費節約で国家にも貢献します。
現在、尊厳死を考える議員連盟により尊厳死の法制化が検討されています。

以上、新しい船出をした「一般社団法人日本尊厳死協会」について、
簡単にご紹介いたしました。