《0187》 老衰における尊厳死 [未分類]

今日は、老衰による最期について書きます。
糖尿病も高血圧もがんも認知症も何もない、本当に老衰としか
言いようのない在宅医療が現実にあります。

決して多くはありません。
何百人に1人、といった感じでしょうか。
少ないけど、本当に「老衰」としか言えない場合があるのです。

100歳以上とは限りません。
90歳代が実際には多い。
80歳ぐらいでも「老衰」としか言えない方もおられました。

繰り返しになりますが、血圧が正常であることがポイントです。
本当に、徐々に、徐々に、弱っていきます。
素人が見ても、誰が見ても、「老衰」としか言えないケース。

そんな老人が、徐々に食べられなくなってきた時どうするか?
老衰なのに点滴をするのか?
頭が正常で食べられないだけだから、胃ろうを入れるのか?

答えは、ケースバイケースです。
胃ろうを希望する本人は経験がありません。
しかし、希望するご家族は、少しだけおられました。

点滴については様々です。
最初は、拒否ないし希望されなくても、痩せこけるのを見るに見かねて、
点滴を希望されるご家族が多いようです。

この場合も、200㎖の点滴が多いですが、時に500㎖のこともあります。
点滴をする血管がない場合は、皮下に点滴をすることもあります。

皮下点滴だけで、全く食べずに1年間くらい生きたケースも報告されています。
生存のためには、カロリーよりまず水分です。

なんだ、尊厳死じゃないじゃないか、との、ご指摘があるかもしれません。
まあ、私にとってはどちらでもいいことです。
要は本人とご家族が満足してくれれば、それでいいだけ。

老衰における尊厳死のイメージとは、私の中では、胃ろうを入れないこと、
本人とご家族の希望に応じて時に少量の点滴をすることです。
ご家族全員の納得される最期が、目標です。