《0019》 なぜ、病院から追い出されるのか? [未分類]

「病院から追い出された!」と、お怒りの患者さんがおられます。
なかには、あと2、3日、いや1日で亡くなりそうなのに追い出されて在宅で対応せざるを得ない方もいます。

急性期病院に長く入院すると診療報酬が低下するという制度が、その理由です。
病院が悪いのではなく、国としての方針です。

大病院の平均在院日数は約2週間。
早晩、10日間をめざしてさらに短くなる方向です。
急性期病院では、長期入院は、もはや昔話になりました。

病院を追い出された要介護患者さんの行先は、マチマチです。
主に療養病床、介護施設、老人ホームなどですが、「在宅医療」を選ばれる人もいます。

介護力が足りず再び「施設」に戻る方もしばしばいます。
しかし、現実には「施設」がいっぱいで、すぐには入れません。

そこで都会では隙間産業として「老人マンション」が乱立してきました。
病床数800床の基幹病院からは月間2400人もの退院患者さんが出ます。
これらの患者さんの行先を、皆さんとともに真剣に考える時代となりました。