《1912》 脳腫瘍も医療用麻薬があまり必要ない [未分類]

西日本はこれから台風でたいへんな1日になりそうです。
しっかり備えをしてください。

昨日、末期がん=医療用麻薬ではない、麻薬が不要な人も
いると述べましたが、今日はそんな病態のひとつ脳腫瘍について。

在宅医療に従事していると常に1人は、脳腫瘍の患者さんがいます。
在宅医療とはがん、非がんを問わず、臓器も問わない総合診療です。

脳腫瘍の方は在宅医療を開始してからの経過が長いことが特徴です。
何カ月に及ぶことも少なくありません。

がん全体の平均在宅期間は1カ月半ですが、その何倍にも及ぶ病態が
脳腫瘍で、その他では前立腺がんや乳がんなども長いことがあります。

在宅療養している場合、過剰な輸液もしませんので自然な脱水と相殺
されて脳浮腫や嘔吐などに悩まされることが少ないことも特徴です。

これまで何人かの脳腫瘍の患者さんの在宅療養を受け持ちましたが、
全員、在宅でお看取りしました。

そして医療用麻薬もほぼ必要としませんでした。
全身の機能が低下して寝たきりになりますが、最期まで食事もできます。

ゆっくりゆっくりと経過するので、本人や家族との信頼関係が築けます。
次第にウトウトしている時間が長くなり、自然な麻酔がかかったような状態に。

いろいろな末期がんの方を在宅で診ていますが、脳腫瘍は不思議な病態です。
もっとも在宅療養にむいている病気ではないかと、秘かに思っています。