《1984》 余命宣告と抗がん剤拒否 [未分類]

川島なお美さんの訃報にショックを受けた方が多いでしょう。
私も彼女と同世代なのでショックです。ご冥福をお祈りします。

報道によると川島さんは、2013年7月の人間ドックを受けた際に偶然に
胆管がんが発見され、その半年後の2014年1月に腹腔鏡手術を受けられた。

2013年7月の腫瘍発見時に、主治医から「余命1年」と宣告されたとのこと。

腫瘍発見時に、余命1年と宣告??

私は、患者さん本人にそのようなことを言ったことは一度もありません。
私の予測はよく外れるので自信も無いし、なにか呪いをかけるような気がするからです。

彼女は半年後に手術を受けられましたが、余命1年なのに
なぜ腹腔鏡手術を受けたのか、詳しい事情は知りません。

しかし川島さんは、1年という余命宣告で生き方を変えたのではないか。
抗がん剤治療を拒否して、最期まで舞台に立とうと決意したのではないか。

つまり、私にしたら残酷にも見える「余命宣告」が結果的に
彼女の人生の最終章の生き方を決定づけたのでしょう。

その意味では、余命宣告が良かったのかもしれません。

私の経験上、胆管がんには、抗がん剤治療はあまり効きません。

その余命宣告は、彼女が強く望んだのか、あるいは主治医が勝手に
言ったのか、詳しい事情は知りません。

しかし彼女は、死を受容した(できた)からこそ、ああして堂々と最期まで
舞台に立ち続け、多くの人に感動と勇気を与えることができたのではないか。

川島さんは、「余命宣告」に対する私の考え方を変えました。

余命宣告が抗がん剤治療に大きな影響を及ぼすことを学びました。

参考文献) 「長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか?」(ブックマン社)