昨日、あるお店で好きな赤ワインを注文したら、隣の人から
「ワインを飲みすぎたら胆管がんになるよ」と注意されました。
川島なお美さんの訃報を受けて、ワインと胆管がんの因果関係が、
巷の話題になっていると、聞かされました。
そもそも胆管とは肝臓で造られた胆汁を十二指腸に運ぶ管のことで、
肝臓の中にある肝内胆管にがんができると、肝内胆管がんと呼びます。
進行すると、黄疸、腹痛、背部痛、食欲不振などの症状が出ます。
胆管がんの原因として、肝内胆管の結石や高脂肪食などが知られています。
胆管がんは一般にかなり進行するまで症状が表れないため、早期発見が難しいがんです。
早期発見には腹部エコーが有用であり、精密検査としてCTやMRIなどが行われます。
わが国の2013年の胆のう・胆管がん死亡数は男性約8900人および
女性約9300人で、それぞれがん死亡全体の4%および6%を占めます。
胆嚢がんは女性に多く、胆管がんは男性に多い病気です。
70代に最も多くみられ、加齢はひとつの危険因子になります。
さて、ワインと胆管がんの因果関係ですが、直接は、関係無いと思います。
ワインはポリフェノールの作用でがんの発生には抑制的と考えられています。
ただしアルコールは飲み過ぎると肝硬変や脂肪肝になるので危険です。
なにごとも、過ぎたるはなんとか、です。
もしかしたらワインのつまみとして食べるチーズなどの高脂肪食が、
胆管がんに関係した可能性はあると思います。
またもし喫煙もされていたなら、原因になる可能性があります。
あと、印刷工場の従業員に胆管がんが多発した事実は有名です。
印刷機の洗浄に利用されている〝1.2ジクロロプロパン〟が
胆管がんの発がん性物質として認定されています。
川島さんは、「ワインのせいでがんになったと思われたらワインに申し訳ない」
という想いで、がんの公表を迷された、と伝えられています。
というわけで、皆さま、どうか安心してワインを楽しんで頂ければと思います。
それが川島さんが一番喜ぶ供養ではないでしょうか。