《1996》 理想のグループホームを求めて [認知症]

昨夜は、全国グループホーム団体連絡会のみなさまと夕食を囲みました。
今日から京都で全国大会が開催されるので、全国から関係者が来ています。

グループホームとは、認知症の人9人がワンユニットになり共同生活する場。
通常、2ユニットか3ユニットだと思います。

グループホームの全国組織は現在、2つあるそうで、そのうちの1つの大会です。
みなさん現場の方なので、認知症ケアについてとても話が弾みました。

私も数カ所のグループホームの入居者を診させていただいています。
老衰の看とりも年間、数例くらいの頻度で経験しています。

話題になったのは、グループホームでの「鍵」です。
鍵がまったく無い施設と、3重鍵の施設まで、いろんなところがあります。

施設外を自由散歩できる施設と、まったくそれをさせてもらえない施設。
昨夜のみなさまは、施設間で相互チェックを行っているとのことでした。

そのチェック項目がなんと530もあると聞き、驚きました。
でも、相互チェックはいいシステムだと思います。

あと、介護職員の研修のあり方についての話にもなりました。
介護職員に必要な研修を、どうすれば受けてもらえるのか。

どうも私が見る限り、北海道のグループホームがいちばん進んでいるようなので
「北海道で定期的に研修をやればいいのに」と提案してみました。

あと、「救急車を呼ぶこと」に関する話題も出ました。
事件でもないのに警察の取り調べが始まった、苦い経験談も。

これは医師法20条と21条の話ですが、ちゃんと話すと2時間くらい
になりそうで、場が白けそうなのでやめました。

そういえば、11月28日(土)に新神戸オリエンタル劇場で
第6回近畿在宅医療推進フォーラムを開催する予定になっています。

テーマは「ピンピンコロリって無理なん知っとう?」で
現役の医師たちが、在宅看とりをテーマにした演劇をします。

http://www.drnagao.com/img/lecture/kinnkizaitaku20151128.pdf

その中で、警察とのトラブルや坊さんとのトラブルをリアルに描きます。
なにせ、全員現役バリバリの医師や看護師なので迫真の演技になるはず。

私は全体の責任者なので、その準備に右往左往中なのですが、なにせ
豪華キャストによる「そこまでいうてええん会」だから、ええんです。

ちなみに、グループホームも立派な自宅です。
そこに住民票を移している人もたくさんおられます。

自宅介護が無理、と諦めて施設を探し回る人が沢山おられます。
友人知人からの連絡は、我が親の介護施設に関する相談ばかり。

私は、グループホームこそ理想の療養の場にしたい、と思っています。
しかし町医者の浅知恵ではなんともならないので、連絡会に頑張ってほしい。

そんな想いで、昨夜は親交を深めました。
認知症ケアの現場で頑張っておられる方々との交流は、時間の流れを忘れます。

今日は13時から厚労省で記者会見を行います。
「一般社団法人・抗認知症薬の適量処方を実現する会」を立ち上げた経緯を話します。

こうしたことこそ医者が言わねば、とバッシングを覚悟の上で立ちあがりました。
先日の河野和彦先生の尼崎講演の感想文を見ても、みんなおかしいと思っています。

http://blog.drnagao.com/2015/10/post-4761.html

このコラムもあと4回で2000回を迎えます。
ここでひとつの区切りにしたいと思うので、話があちこち飛び、スミマセン。