《0020》 どうして、ギリギリ在宅になるのか? [未分類]

死期がすぐそこに迫っているのに、ギリギリになって在宅に帰される患者さんが時々おられます。
当院の統計では、在宅期間が1週間以内であった在宅が5%ありました。

どうして、ギリギリ在宅になるのでしょうか?
二つの理由が頭に浮かびます。

入院期間が長くなり、病院経営者から容赦なく退院指令が出る場合。
本人や家族が「最期は自宅で」と急に思いつく場合。
つまり、医療者側の都合と患者さん側の都合の2通りです。

在宅医療もベースとなるのは、信頼関係です。
信頼を構築するには、時間は長いほどいい。
最低でも2週間はほしいところです。

しかし、末期がんは亡くなる直前まで、結構元気そうです。
亡くなるその日まで食べて、自分でトイレ歩行される方もおられます。
ですから、本人も家族も「死」はまだまだ遠い先、と思いがちです。

昔は、病院に入院したら、「やれやれひと安心」でした。
今は、入院した瞬間から、「退院したらどうしようか」を考えなくてはいけない時代になりました。
病人さんにとっても、大変な時代ですね。