《0203》 理想の眼鏡との出会い [未分類]

ある日「老眼でお悩みの貴方に」という広告が目にとまりました。

何度も目にしていたであろう、そんな広告に思わず目を奪われる位、

困り果てていました。

 

休日を利用してその眼鏡屋さんを訪ねました。

何冊か眼鏡に関する本を書いている社長さんが対応してくれました。

その本には、冒頭に「近視は宝!」と書かれていました。

 

近視は年を取れば治る、生理現象。

近視は宝、遠視は病気。

貴方は、その宝を売り飛ばしたんだ!と怒られました。

 

聞いているうちに、なんだか情けなくなりました。

その社長さんが作成した眼鏡は、シックリきました。

なんと、眼鏡をかけたまま、生活ができるのです。

 

近くも遠くもOK,という点が大変気に入りました。

さっそく、また少々高いその眼鏡を購入しました。

その日から、気分が少し落ち着きました。

 

その社長さんに、思いっきり笑われました。

「あんた、医者やのに、そんなことも知らんと

そんな手術を受けたのか?」と。たしかに。

 

私のような変なオヤジが、何人か相談に来たようです。

しかし、3時間も話し込んだ最後に、さすがに可哀そうに

思ったのかひとつだけ私を慰めるような話をしてくれました。

 

「昔から大きな仕事を成し遂げた偉人は、みな遠視だったんだ」

何人のも偉人の実名を挙げて、少し慰めてくれました。

その老社長の言葉には、少し元気をもらいました。

 

あれ以来、新聞をあまり読まなくなりました。

正確には、細かい字が読めなくなりました。

見出しや、小見出しだけで流すようになりました。

 

おかげで新聞がとても早く読めるようになりました。

小さな文字の本を買わなくなり、文庫本が減りました。

滅茶苦茶大きい活字の本を出版して、顰蹙をかいました。

 

眼鏡に関しては、本当に貴重な経験をし、知識が増えました。

さて、指示どおり眼科の定期検診を、また受けに行きました。(続く)